プレゼンテーション用フリップチャート

アクセント教育の研究(これまで)

・学習者の発音/聞き取りの傾向
・授業、指導の実践報告
etc.

→アクセントの知識も大切

しかし、海外でのアクセント教育の実態は、よくわかっていない?

1


日本語教育:海外中心

国内にいる学習者の発音を直すだけでなく、地球規模での改善の可能性を考える必要

●海外で、日本語アクセントがどのぐらい/どのように教えられているか?

●海外のノンネイティブ教師は、日本語アクセント教育についてどう考えているか?

 →アンケート調査した

2


磯村(2000)の予備調査

 韓国38人
 その他11カ国16人
 ↓
今回
 計46カ国
 275人の結果

3


国、人数が増えた結果は....

 →だいたい同じ

 しかし、国ごとの特徴が見られる場合もあった
 (中国など)

4

 

1.日本語アクセントに関する知識
<自国でどのぐらい習ってきたか?>

参照:ポスター1

●アクセントがある
→ほとんどが知っている

●概論的な知識
→わりと知っている

●個々の具体的な知識
→あまり知らない

中国
 →全体的に、よく知っている

5


アクセント型の名称(頭高型、平板型....)

 →中国、韓国、マレーシアで
  比較的よく知られている

6


アンケートの問題点

・わかってないで答えてる?

・「日本に来る前」が徹底されてない?

・教師を対象:
 一般の学習者よりも知識が高い可能性

7

 

2.教材の現状
<自国で使っている教材に、アクセントの記号が書いてあったか>

参照:ポスター2

全体的な傾向:
 「ぜんぜん書いてなかった」がもっとも多い(半分以上)

中国:ほとんど「書いてあった」

タイ:わりと多い

8


中国:
 さまざまな教科書に、@A式で
 すすんだ課にもあり

タイ:
 「にほんごあいうえお」多い
  ←JICA関係で普及?

9


どこまで書いてあるかは不問でこの数字

よくある例:
 最初の「発音」などの部分だけで言及→その後なし

10


海外で広く使われている、日本で作られた教科書

 ・みんなの日本語
 ・新日本語の基礎
 ・日本語初歩 etc.

→アクセントに触れていない

11

 

3.学生にアクセントを教えているか?
教えてない場合、その理由は?

参照:ポスター3

全体的に: 「教えていない」多い

中国: 「教えている」ほとんど

タイ: 半々ぐらい

12


「教えているか」どうかは、

「教科書に書いてあったか」と深い関係がありそう?

(ちなみに、相関係数=0.88)

13


教えている内容:

・母語での説明
・発音の練習/矯正
・聞き取り練習
・アクセントを覚えさせる

 →同じぐらい行われている

14

参照:ポスター4

教えていない理由:

●自分が知らない
●自信がない
・教科書に書いていない

積極的理由から、あえて教えていないという教師は少ない

15

参照:ポスター5


国ごとに見ても、だいたい似たような傾向

「日本人の仕事だから」
 →多い国もある

インドネシア、ヨーロッパ、CIS、オーストラリア

16

 

3.教師としてのビリーフ
<アクセント教育についてどう考えているか>

参照:ポスター6

理想や希望:
・正しいアクセントを身につけたい/教えたい

→どこの国も、極めて高いモチベーション

17


しかし、日本語のアクセントは「難しい」と感じている
(が、不可能ではない)

中国:難しいとはあまり思っていない

18

参照:ポスター7

アクセント教育についての意見

●早くから教える(習う)べき

●教材にアクセントの記号を

●みんなが勉強したほうがいい

19


「教えるのは日本人の仕事」→反対多し

しかし、賛成の国も:
インドネシア、ヨーロッパ、CIS

「教えない理由」とも関係?

20


アクセントを習うなら

→まずは東京のアクセントを

 しかし、住むならその土地のアクセントも

21

 

4. まとめ


海外の日本語教育:

アクセントを教えている例はあまり多くない

22


教えたい、教えるべき
↓と思っているが、

自信がない、難しい、教えられない

23


なぜ?

●教えてもらわなかった

●教材に書いてなかった

●具体的な情報の不足

24


<悪循環>

教えない
→わからない
→教えられない

25


中国の例:

・書いてある
・教えている
・難しいと思わない

26


●教科書の語彙にアクセントの記号を

●学習の初期から韻律の違いを意識化

27


学びたい学習者から学ぶ機会を奪わない

学びたければ学べる環境を作っていく

28


これまでの犠牲者?

→アクセントについての知識が取り戻せるような教材

29

おわり